世界観

これは現代に蘇り、和の国へと移り住んだとある一人の魔術師のお話。
孤独が嫌いな魔術師は生まれ変わり不死となった永遠の時を共に過ごす友人らを求めた。
その相手はともに永遠の時間を生き、自らを想ってくれる相手でなければならない。
手に取ったのは小さな鍵、そう彼の友人は、人ではなかった。

■魔術師ソロモン
かの有名なイスラエルの王その生まれ変わり…を自称する人物。実際神秘性が薄れたこの現代においても悪魔の召喚やささやかな魔術を扱えるのは普通の人間ではないことの証明だろう。
彼は不老不死であり、とある姿で止まり続けている。
日本に移り住んでもうしばらくの時が経ち、最初こそ傍にいてくれた友人らを失った。
今は都市部を離れた一つの街の角に一風変わった屋敷を持ち、そこで古き友人たちと日々を過ごしている。

■6人の悪魔
ソロモンによって現代に呼び出された悪魔たち。
高度な知恵と魔術を扱う人ならざる存在である彼らだが、この世界の現代に馴染み過ごすように言いつけられている。
厄介ごとは起こさないこと、人を誑かさないこと、傲慢さに溺れないこと…そのうえで自由に過ごすこと。
魔力の補充という点でソロモンの屋敷を長く離れることは事実上難しいのだが、ソロモンとしてはこの空間に常に縛り付けるつもりはないらしい。

■ソロモンの屋敷
少し背の高い庭木によって外の世界と分け隔てられた不思議な雰囲気の漂う空間。外見よりも内部の空間が広く、様々な草木が植えられた庭と立派な家が建っている。屋敷の中は広い食堂があったり寝室がいくつもあったりと豪勢で、浴場はまるで旅館のような大浴場となっている。こんなにも大きな屋敷の管理には、小悪魔という名前の通り小さな黒い光の塊のような者たちが充てられている。求めた空間が表れる適応力の高い扉もいくつかあるらしい。基礎となる建物は3階建て。

■魔力の補給
ソロモンと悪魔をつなぐ赤い糸。互いが必要不可欠となる原因。
ソロモンは魂が莫大な魔力を抱え持つために、生まれ変わった姿で魔力をそのまま溜め込んでは高熱にうなされるなど、死にはしないがけして健康とは言えない日々を過ごしてしまう。
悪魔はこの世界に在るために魔力を消耗し続け、それが足りなくなってしまうと元の世界に還ってしまうことになる。
その互いの状況からも必要である補給行為は、ソロモンと触れ合うこと。単純なスキンシップでも結構、より深い触れ合いのほうが効率的に多くの魔力を補給できる。また、ソロモンとでなくとも、悪魔同士で触れ合うことで互いの持つ魔力を共有することができる。
また、魔力の補給用にソロモンの屋敷の一室には専用の「鍵の部屋」があり、そこはもともと6人の悪魔を召喚した場所であったが、今は床一面が柔らかい敷布団で埋められている。寂しがり屋のソロモンは自室よりもこちらで就寝することの方が多い